共同輸送のメリット・デメリットや事例を紹介!位置情報共有の重要性を解説
トラックドライバーの長時間労働の抑制や、ドライバー不足の対処法のひとつとして注目されている「共同輸送」。
共同輸送を効率的に行うには、位置情報の共有や物流事業者間での連携などいくつもの課題があります。
そこで本記事では、共同輸送における位置情報共有の重要性や、メリットなどについて解説します。
そもそも共同輸送とはどのような利点や課題があるのかも紹介しているので、ドライバー不足に悩んでいる事業者の方や、共同輸送を検討中の方は参考にしてください。
目次
1. 共同輸送とは何?メリット・デメリットを解説
共同輸送の概要や、メリット・デメリットを解説します。
- 共同輸送とは?
- 共同輸送のメリット
- 共同輸送のデメリット
- 共同輸送の実例
共同輸送の実例なども紹介するので、どのように活用するのか確認してみましょう。
共同輸送とは?
共同輸送とは、複数の物流事業者がトラックを共同で使用することで、配送の効率化を行う方法です。
類型として主に以下の2種類があります。
- 域間輸送 :東京大阪間など、離れた地域を結ぶ輸送
- 域内輸送 :近距離輸送やラストワンマイルの配送
特に域間輸送の場合はモーダルシフト輸送、中継輸送と組み合わされる場合もあります。
少量の荷物ではモーダルシフト輸送も中継輸送も対応ができない場合も、共同輸送を活用することで利用しやすくなります。
基本的には同じ配送先に向かう荷物を積む方法なので、本来複数の事業者から別々に出発していたトラックが1台で済むのが大きな利点です。
共同輸送のメリット
共同輸送のメリットについて解説します。
- 輸送効率の向上とコスト削減
- ドライバー不足の解消
- CO2排出量の削減
ドライバー不足や長時間労働など、多くの物流事業者が抱える課題解決に貢献できるのが主な利点となっています。
輸送効率の向上とコスト削減
まずは積載率をアップできるなど、輸送効率が向上するのが大きな利点です。
トラックの荷台に空きがあるにも関わらず配送を行うのは非効率的なので、共同輸送で複数社の荷物をまとめて運ぶことで効率化が図れるでしょう。
それに伴い、本来各社で発生していたドライバーの人件費や輸送費などのコスト削減にも繋がります。
ドライバー不足の解消
各社から複数台出発していたトラックの数が減らせるため、ドライバー不足の解消にも繋がります。
法改正による長時間労働の抑制など、物流「2024年問題」と呼ばれる業界全体の課題に対して効果を発揮できるでしょう。
CO2排出量の削減
共同輸送でトラックの台数が減れば、それだけ排出CO2の量も削減できます。
CO2排出量の把握と削減は、国際的な流れとしても今後さらに厳しくなることが予想されます。
トラックから船舶や列車等の輸送も活用するモーダルシフトへの転換も、複数社の荷物をまとめて輸送する共同輸送なら実現しやすくなるのが利点です。
共同輸送のデメリット
共同輸送にはメリットも多い反面、いくつかデメリットがあるので解説します。
- 効率的な運用にはシステムや梱包規格の統一が必要
- 料金の調整が必要
- 配送状況の確認が難しい
導入前の課題になる部分でもあるので、ぜひメリットと合わせて押さえておいてください。
効率的な運用にはシステムや梱包規格の統一が必要
共同輸送は効率的に荷物を輸送できますが、最大限利点を活かすにはシステムや梱包規格を統一する必要があります。
それぞれ別々のシステムを使用していると連携が取りにくいのが難点です。
また、梱包される荷物のサイズが大きく異なる事業者同士だと、積載スペースを効率よく利用できず効率的に配送できません。
そのため、各事業者同士の連携が課題となっています。
料金の調整が必要
複数の事業者が一つの輸送手段を利用するので、料金の調整が難しい点はデメリットです。
配送料金は荷主と物流事業者の契約なので、金額はそれぞれ異なります。
配送料金の設定が難しく、事前の調整に時間がかかる可能性があります。
配送状況の確認が難しい
複数社の荷物を共同で運ぶため、配送状況の確認が難しいのが難点です。
自社の荷物を追跡するには、後述する「物流トラッキングシステム」などのGPSトラッカーを導入するのがおすすめです。
共同輸送の実例
共同輸送を実際に行っている企業を紹介します。
イオングループでは物流「2024年問題」への取り組みの一環として、各地域における小売各社の車両の余剰をシェアする取り組みを推し進めています。
モーダルシフトも組み合わせて物流リソースの解消に取り組んでおり、2024年春から実施されています。
参照:Yahoo!ニュース「イオンがグループ共通で取り組む「物流2024年問題」の解決に向けた4つの施策とは」
2. 共同輸送で位置情報を共有する利点と方法
ここでは、共同輸送で位置情報を共有する利点と方法について解説します。
- 位置情報を共有する方法
- 位置情報を共有する利点
共同輸送のデメリットのいくつかを解消できるため、位置情報を共有することでさらなる効率化が期待できるでしょう。
位置情報を共有する方法
位置情報共有は、GPSトラッカーなどのツールを導入することで可能です。
例えば、「物流トラッキングシステム」は高精度のGPSに加えて温度・加速度センサーを搭載し、荷物の位置や状況を遠隔で確認できます。
共同輸送では難しい配送状況の確認が容易になり、位置情報からトラックに効率的な荷受けなどを可能とします。
共同輸送でさらなる配送効率の追求のためにも、こうしたGPSトラッカーの導入を検討してみてください。
位置情報を共有する利点
共同輸送において位置情報を共有する利点を3点紹介します。
- 中継輸送などで連携がスムーズ
- 到着時間の予測や待機時間の削減
- 自社の商品がどこにあるかを把握しやすい
位置情報を共有できるメリットは大きいため、ぜひ押さえておきましょう。
中継輸送などで連携がスムーズ
トラックや荷物の位置情報が分かると、中継輸送の際などの荷待ち・荷役時間の削減に繋がります。
事業者間での連携がとりやすくなるので、スムーズな作業に貢献できるでしょう。
自社の商品がどこにあるかを把握しやすい
共同輸送では、自社の商品の配送状況が分かりにくいのが課題ですが、位置情報が共有できれば解決できます。
荷物が置かれている温度なども視覚化できるので、安全かつ確実に輸送しやすくなるのが利点です。
到着時間の予測や待機時間の削減
事前にトラックの到着時間の予測がしやすくなり、待機時間の削減にも繋がります。
そのまま労働時間の削減に貢献できるので、昨今問題となっているドライバーの長時間労働解消に貢献できるのがメリットです。
3. 共同輸送の位置情報把握にはGPSでのトラッキングサービスが有効
本記事では、共同輸送における位置情報把握の利点などを解説しました。
共同輸送は、複数社の荷物をまとめて運べるため、ドライバー不足解消やコスト削減などの効果が期待できます。
その一方で、自社の荷物やトラックの位置を把握したり、強みを活かすには事業者間の連携が必要だったりと課題もあります。
そのため、「物流トラッキングシステム」などのGPSトラッカーを導入することで、事業者間で位置情報を共有でき、スムーズな作業へと繋げられるでしょう。デジタコとの併用も可能です。
トラックの位置情報が把握できれば、荷待ち・荷役時間の削減などにも繋がるので、共同輸送を検討中の方はぜひ合わせて導入してみてはいかがでしょうか。