パレタイザーとは?自動化が求められている理由や導入のメリットを解説
概要
物流業界や製造業では、効率的な作業を実現するためにパレタイザーを導入する企業が増えています。しかし「パレタイザーとは何なのか?」「自動化するメリットがわからない」と悩んでいる方も多いでしょう。
そこで、この記事ではパレタイザーの概要や種類について解説します。パレタイザーの導入によるメリットやデメリットも紹介するので、労働環境や業務効率を改善したい方は最後までご覧ください。
目次
1. パレタイザーとは?
2. パレタイザーの種類
3. パレタイザーでの自動化が求められている理由
人手不足が深刻化しているから
職場環境を改善する必要があるから
時間外労働が厳しく規制されるから
4. パレタイザーを導入するメリット
生産性が向上する
安全性が向上する
品質が安定する
人件費を削減できる
5. パレタイザーを導入するデメリット
初期費用が発生する
メンテナンスコストが発生する
教育コストがかかる
6. 物流事業者は積極的に自動化を進めよう
1. パレタイザーとは
パレタイザーとは、製品や荷物をパレットに自動で積み重ねる機械のことです。近年、業務の効率化や職場環境の向上を図るため、物流センターや工場などの幅広い分野でパレタイザーが使用されています。これにより、作業スピードや精度の向上が図れるだけでなく、労働環境の改善にもつながっています。
2. パレタイザーの種類
パレタイザーには「機械式」と「ロボット式」の2種類があります。
機械式
機械式パレタイザーは、主にベルトコンベアやリフトを利用して荷物を指定された場所に移動させ、パレット上に積み重ねる方式です。このタイプはシンプルな構造であるため、大量の製品を短時間で処理することが可能です。
また、事前に決められたパターンで正確に積み上げられるため、同じサイズや形状の製品を大量に取り扱う現場で利用されています。一方で、機械式パレタイザーは柔軟性に欠けるため、異なるサイズや形状の製品を同時に扱うのが困難です。
そのため、頻繁に生産品目が変わる現場では、パレタイザーの設定変更や再調整が必要になり、一時的に作業効率が低下することがあります。
ロボット式
ロボット式パレタイザーは、ロボットアームを用いて荷物をパレットに積み重ねる方式です。機械式に比べて柔軟性が高く、異なる形状やサイズの製品を扱えます。
たとえば、製品ごとに異なる配置パターンを事前にプログラムしておけば、同じパレタイザーで複数種類の製品を処理することが可能です。さらに、ロボット式は人間の腕のような動きを再現できるため、壊れやすい製品や形が不安定な荷物を安全に積み上げられます。
しかし、ロボットアーム自体の価格が高いため、機械式に比べて導入コストがかさむことが多いです。また、ロボットアームの動作範囲には限界があります。
そのため、取り扱う製品や予算を考慮しながら、機械式かロボット式かを慎重に選択することが大切です。
3. パレタイザーでの自動化が求められている理由
物流業界や製造業では、自動化技術の導入が必須の取り組みとなりつつあります。パレタイザーでの自動化が求められている理由は、以下の通りです。
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人手不足が深刻化しているから
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職場環境を改善する必要があるから
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時間外労働が厳しく規制されるから
人手不足が深刻化しているから
近年、少子高齢化による労働力の減少が深刻化しており、企業は必要な人材を確保するのが難しくなっています。特に肉体労働が必要とされる現場では、若年層の労働者が減少し、人手不足が一層深刻化しているのが現状です。
こうした問題を解決するため、パレタイザーなどの自動化機器を導入して労働力を補完する動きが広がっています。
職場環境を改善する必要があるから
従業員の安全と健康への意識が年々高まっており、重労働や反復作業を行う現場では職場環境の改善が進んでいます。たとえば、物流センターや工場では重い荷物を運搬する作業が多く、腰痛や筋肉疲労、怪我を引き起こすことも少なくありません。
こうした理由から、重労働や危険な業務を自動化によって排除する企業が増えています。また、重労働や危険な作業に対して不安を感じる人が多く、職場環境の改善が不十分だと、離職率の増加につながることもあります。
時間外労働が厳しく規制されるから
近年、労働基準法の改正や働き方改革の推進により、時間外労働に対する規制が厳しくなっています。この背景には、長時間労働が労働者の健康に悪影響を与えるだけでなく、作業効率の低下や企業の社会的な信用にも関わるという認識が広がっていることが挙げられます。
特に、製造業や物流業界では、繁忙期における従業員の負担が大きくなりがちで、時間外労働の増加が問題となってきました。こうした状況を受け、多くの企業がパレタイザーなどの機器を用いて自動化を進めています。
4. パレタイザーを導入するメリット
パレタイザーを導入するメリットは、次の4つです。
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生産性が向上する
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安全性が向上する
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品質が安定する
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人件費を削減できる
生産性が向上する
従来の手作業によるパレット積み作業では、従業員が一つひとつの荷物を運び、正確に積み上げる必要がありました。しかし、パレタイザーを導入することで、この作業を短時間で効率的に進めることが可能です。
これにより、人手に頼る作業量が減り、従業員の負担が軽減されます。また、従業員が他の業務にリソースを割けるため、企業全体の生産性向上が期待できます。
安全性が向上する
手作業で重い荷物や大きな製品をパレットに積み上げる作業は、従業員にとって非常に負担が大きく、怪我や事故のリスクが高くなりがちです。しかし、パレタイザーを導入して危険な作業を自動化することにより、労働災害を減らし、腰痛や筋肉疲労などの職業病を予防することが可能です。
その結果、従業員の健康が守られ、休職や退職のリスクを抑える効果が見込まれます。
品質が安定する
手作業では、どうしても従業員ごとの技術や疲労によって積み方に差が生じやすく、均一な仕上がりを確保することが困難です。一方、パレタイザーはプログラムされた積み重ねパターンに従って荷物を正確に配置するため、作業品質のばらつきを最小限に抑えられます。
製品が正しく積み重ねられていない場合、輸送時に荷崩れが起こる可能性がありますが、パレタイザーを活用することでそのリスクを軽減できます。
人件費を削減できる
従来、パレットへの荷物の積み上げは手作業に頼っていたため、多くの労働力が必要とされていました。しかし、パレタイザーを導入することでこれらの作業が自動化され、少ない労働力で生産性を維持できるようになりました。
さらに、パレタイザーは24時間連続で稼働できるため、シフトを組んで人員を配置する必要がなくなります。これにより、夜勤や休日出勤といったコストが高くなる部分も削減可能です。また、従業員に対する福利厚生や残業手当、研修費用も減らせるため、全体的な人件費の削減効果が得られます。
5. パレタイザーを導入するデメリット
パレタイザーを導入する際は、次のようなデメリットも考慮しておく必要があります。
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初期費用が発生する
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メンテナンスコストが発生する
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教育コストがかかる
初期費用が発生する
パレタイザーを導入する場合、機器本体の費用だけでなく、設置工事や操作に関するトレーニング費用も発生します。そのため、初期投資が高額になりがちです。
さらに、既存の作業ラインと連携させるシステムの導入や、レイアウト変更に伴う追加費用が発生する可能性もあります。長期的には、労働力の削減や作業効率の向上といったメリットが期待できるものの、初期コストを回収するまでに時間がかかる可能性があるため、導入を考えている方は慎重に検討しましょう。
メンテナンスコストが発生する
パレタイザーは多くの可動部品と精密部品で構成されているため、使用頻度や荷物の種類に応じて部品が摩耗します。そのため、定期メンテナンスや予防保全を怠ると、予期せぬ故障が発生するリスクが高まります。
こうした理由から、機械の状態を定期的にチェックし、必要に応じて部品の交換や修理を行うことが不可欠です。さらに、パレタイザーは高精度かつ複雑な機械であるため、専門知識を持った技術者によるメンテナンスが必要となり、コストが高くなる傾向があります。
教育コストがかかる
パレタイザーを適切に稼働させるためには、操作方法やトラブルシューティングの知識が不可欠です。特に機械が止まった場合やエラーが発生した際に、迅速に対応できるようにするためには、従業員がその構造や仕組みを理解していなければなりません。
このため、導入初期には従業員に向けて研修を実施する必要があります。さらに、研修期間中は通常業務に従事できる時間が減るため、生産効率に影響を与える可能性もあります。
6. 物流事業者は積極的に自動化を進めよう
この記事では、パレタイザーの概要や自動化が求められている理由、導入のメリットについて解説しました。パレタイザーを導入することで、物流現場の生産性や安全性を向上させられます。
さらに、作業を自動化することで人件費を削減し、作業品質を安定させることが可能です。そのため、人手不足や職場環境を改善したい物流事業者の方は、積極的にパレタイザーを導入してみましょう。
パレタイザーの導入に加え、IT機器を活用することで作業品質や業務効率を改善し、最終的に顧客満足度の向上が期待できます。たとえば、製品の位置や状態を把握する機器「GPSトラッカー」を使用することで、在庫管理や配送ルート提案の精度を向上させることが可能です。
弊社の「GPSトラッカー」は、高精度なGPSを使用しており、数mの誤差で正確な位置情報を取得できます。さらに、10年間電池交換が不要な長寿命設計により、メンテナンスコストを大幅に削減できます。
そのため、業務改善を図りたい方は、パレタイザーに加えて「GPSトラッカー」の導入も検討してみてください。