「テレマティクス」という言葉を聞いたことはありますか?
テレマティクスは移動体にGPSなどを取り付けてサービスを提供することを指します。
近年では、テレマティクスは物流業界においても、業務効率化や物流「2024年問題」への対応などで活用が期待されています。
そこで本記事では、テレマティクスの概要や利点について解説します。
カーナビなど、わたしたちの身近でも活用されている技術なのでぜひ参考にしてみてください。
目次
テレマティクスとはそもそも何か、概要やメリット・デメリットについて解説します。
「テレマティクスという単語を聞いたことがあるけど意味は分からない」といった場合は、まずは本項の内容から押さえておきましょう。
テレマティクスとは、移動体に通信システムや位置情報が分かるツールを取り付けてサービスを提供することで、カーナビなどが分かりやすい例です。
テレマティクスは「通信(テレコミュニケーション・Telecommunication)」と「情報科学(インフォマティクス・Informatics)」が由来となっており、通信と情報を活用したサービス・システムの総称として使われます。
例えば、テレマティクスを活用したカーナビであれば、道路の混雑状況や事故状況を取得して別の経路を提案することが可能です。
テレマティクスによって、さまざまなサービス・業務をより効率的かつ便利に行えるようになります。
テレマティクスのメリットは、主に以下のような点です。
テレマティクスは、走行データや状況を使って業務の効率化を図れるのが利点です。
また、走行状況を確認して安全性の向上にも繋がるでしょう。
さらにネット上で車両などを一括管理できるため、管理にかかる人件費といったコストが削減できるのもメリットとなっています。
テレマティクスのデメリットは、主に以下のようなポイントです。
テレマティクスを利用するには、GPSなどの機材を取り付ける必要があります。
導入や運用にはコストがかかる点は押さえておきましょう。
ただし、その分生産性の向上や人件費の削減が見込めるため総合的に検討することが重要です。
また、取り付けにあたって実際に車両などを運転する従業員などから「監視されているように感じる」と抵抗される可能性はあります。
あくまでも安全面や効率化の観点から利用する点をしっかりと周知し、理解を得て導入しましょう。
さらに、データをクラウド上に保存するため、セキュリティ対策をきっちり行わないと個人情報漏洩のリスクを孕むことになります。
上記のような点を留意して、導入するかを判断してみてください。
カーナビ以外にもテレマティクスには以下のような活用事例があります。
事例 |
概要 |
ETC2.0 |
渋滞情報や事故情報をリアルタイムに提供 |
コネクティッドカー |
車両の状態や交通情報などを取得して効率的かつ安全な運転が可能 |
保険(テレマティクス保険) |
車両の走行情報を記録し、事故発生時などに |
わたしたちの身近でも、テレマティクスの導入は進んでいます。
特に、保険のエビデンスとして活用するなど、業務の効率化だけでなく自身の安全を守るためにも有効な点がテレマティクスの大きな利点です。
物流業界におけるテレマティクスの重要性も解説します。
ドライバーの長時間残業や、車両管理などに悩んでいる事業者の方は、テレマティクスの導入を検討しましょう。
物流業者がテレマティクスを導入すると、以下のようなメリットが期待できます。
車両の位置情報を活用して最適な経路を割り出すだけでなく、倉庫への到着時間予測などが可能になるため荷待ち・荷役時間の削減にも繋げられるでしょう。
近年物流事業者の課題となっている、ドライバーの長時間労働削減にも有効です。
また、車両や荷物の状態を管理しやすくなり、安全性や品質の面を担保しやすくなるのも利点です。
テレマティクスの導入にあたって、おすすめのサービスを紹介します。
代表的なものでいえば、GPSトラッカーです。
車両や貨物の位置情報を把握し、物流の効率化や労務管理に活用できます。
また、走行距離からCO2の排出量を可視化できるため、SDGsの達成に向けた取り組みとしても有効です。
本記事では、テレマティクスの概要とメリットについて解説しました。
テレマティクスは、車両などの移動体に取り付けたツールとの通信によってさまざまなサービスを提供することです。
車両の位置情報だけでなく、走行状況や事故情報の取得など、業務効率化や安全性の観点から着目されています。
物流事業においても、品質の担保や労務管理などにも活用できるため、長時間労働の抑制などに繋げられるでしょう。
導入を検討している事業者の方は、GPSトラッカーの導入から検討してみてはいかがでしょうか。